多面付けでスクリーン印刷された材料を断裁する 

多面付けでスクリーン印刷された材料を断裁する

多面付け(動画の場合は12面)でスクリーン印刷された印刷シートを断裁します。

多面付け印刷、加工の必要性

一般的に量産化した製品のスクリーン印刷は、製造コストを抑えるために多面付けで印刷を行います。
動画にある12面の印刷シートを例に説明すると、 例えば1色の印刷工賃が50円とした場合、この製品は12色あるので1シートの印刷工賃は50円☓12色で600円となります。 もしこの印刷が1面で印刷されていたとしたら、製品1pcsに印刷工賃の600円がそのまま乗ってしまいます。 製品は印刷工賃の他に、材料費、エンボス費用、テープ貼り合せ費用、プレス費用、検査費用などが加わりますので、最終的な製品単価は概算ですが1,000円ほどになってしまいます。
こんなファンヒーターの銘板1枚が1,000円ではとうてい受注することが出来ないことはご理解頂けると思います。

これが12面で印刷した場合、1シート12色の印刷工賃が600円なのですから、製品1pcsあたりの印刷工賃は600円÷12面で50円となります。 すると製品単価は概算で300円代まで下がることになります。
さらに後加工工程を多面付けで加工できるように工夫することで200円あたりの最終的なターゲット単価が見えてきます。

上の説明はご理解頂きやすいような仮工賃で計算しています。 正式なお見積りはお問い合せよりお願いします。

このようにスクリーン印刷に限らず印刷後の工程も、いかに多面付けで加工できるように考えることが製造コストを下げるためには必要となります。

断裁作業

多面付け印刷、加工の必要性をご理解頂いた上で断裁の説明に戻ります。
このファンヒーターの場合、次にガイド穴を空けてからエンボス加工を行います。 ㈲スリーサプライ川口のエンボスプレス機はこちらでご紹介してますが、 この大きなシートの状態でエンボス加工を行うことはできません。 2面エンボス型で送りでエンボス加工を行います。 そのために12面のシートを3分割して1☓4pcsの短冊にする必要があるのです。
その後のテープ貼り合せと仕上げプレス加工は1☓4pcsの短冊シートの状態で行います。

断裁機 写真の断裁機は古い物ですが、100枚以上重ねた印刷シートを一気に断裁できるので重宝しています。 断裁刃と刃が当たる下側の受けは定期的に交換します。
動画のようにこの断裁機に材料を重ねてセットし、スキージゴムを使って揃えます。 断裁機後方の当ては前後に動かすことができます。 この断裁機の当てに材料を当てることで常に同じ位置での断裁が可能となります。

この断裁機はアームを押し下げることで断裁刃が下がり材料を切る仕組みです。 断裁機の一番危険な状態は材料をセットする時、つまりアームが上がっている状態の時です。 確実に逆側まで倒しこむ事とストッパーを確実に入れる事が事故防止には重要です。
動画の後半に作業者が断裁機左側のストッパーを押したのを確認できます。 また、撮影者(私)の手がストッパーが入っていることを確認し、作業者が再度ストッパーが入っていることを確認した場面も撮影されています。 さらに断裁作業時にヘルメットを着用することで事故防止を徹底しています。

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